ダウは3万ドルを目指すのか?

2019年の株式市場は米中貿易戦争の影響で荒れましたが、年末にかけて上昇しました。

特にトランプ大統領が第一弾の米中合意を果たしたとツイッターで宣言してからは、連日のように過去最高値を更新しています。

米国の代表的な株価であるダウは史上初の3万ドルを目指すのではないかと言われています。2000年のITバブルの頃が1万ドルですから、20年で3倍となる計算になります。

今回は、ダウが3万ドルを目指すにあたってのいくつかの好材料を見ていきたいと思います。

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トランプ政権

トランプ大統領

オバマ前大統領の時代から米国の株価は上がっていましたが、企業の大型減税を実施するなど親企業政策のトランプ大統領就任(2017年1月20日)以降、株価の上昇はますます加速し、ダウ・ナスダック・S&P500の主要三市場は史上最高値を更新し続けています。

また政権発足当初は、ウォール街最強の投資銀行と名高いゴールドマン・サックス出身者を多く幹部として起用しました。現在はスタッフもかなり入れ替わっていますが、重要閣僚のスティーブン・ムニューシン財務長官はゴールドマン出身です。

株価の上昇を自分の功績としたいトランプ大統領はツイッターでニューヨーク市場の史上最高値更新を度々誇っています。さらにこんな、興味深いツイートがありました。

意訳すると以下のような感じでしょうか。

「新たな貿易協定の締結(カナダ・メキシコとのUSMCA)、そしてさらなる貿易協定(米中合意)も控えている。真の史上最高値はまだ来ていないのだ!!

つまり、トランプ大統領は現在(2019年12月)の株価に満足していないということです。そして、大統領選の再選に向けて特定の株価目標を念頭に置いているようにも思えてきます。

数字の分かりやすさや人々への訴求効果を考えれば、次の到達目標はダウ3万ドルだと考えるのが妥当でしょう。

ピーター・ナヴァロ

ピーター・ナヴァロ氏は元経済学者で米大統領補佐官(通商製造政策局長)です。

対中強硬派としても有名で、著書に仮想の米中戦争を描いた『米中戦わば』や中国による産業補助金や知的財産侵害を批判した『中国による死』などがあります。中国に対する関税賦課を主導したのはナヴァロ氏とも言われています。

実は経済学者時代に、株式投資に関する本も書いています。それが『ブラジルに雨が降ったらスターバックスを買え』という本で、景気循環によるセクター別の投資法などを勧めています。

そんなナヴァロ氏は、2019年7月にブルームバーグテレビジョンのインタビューでこのように述べています。

「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)を承認し、金利を下げ、トランプ大統領の成長計画を推進すれば、ダウ平均は3万ドルに到達する」

さらに、2019年12月の年末にはCNBCの経済番組で、2020年にダウは3万2千ドルに行くと予想しています。しかもこれは「保守的に見積もった」数字だそうです。

この株価は堅調な米経済成長に加え、中国との貿易協議進展、それにEUを脱退する英国やその他の国々と新たな貿易協定を締結した場合の効果だと主張しています。

FRB

利下げ

米国の株価の上昇を支える大きな要素は、中央銀行である米連邦準備理事会(FRB)であることは間違いありません。2008年の金融危機以降、世界各国の中央銀行は金利を下げ、市中に大量のマネーを供給する金融緩和政策を行いました。

米中の貿易戦争の悪化による景気後退を避けるため、2019年7月に2.25%、同年9月に2.00%、同年10月に1.75%と3度の利下げを実施しました。

この予防的利下げの後、貿易戦争の激化で下落していた米企業の株価は再び浮上していきました。

2019年10月の利下げを最後に、当面据え置きを明言しています。しかし利下げによるドル安誘導と株高を狙うトランプ大統領の圧力は止む気配がありません。

「FRBがさらに金利を下げ、QEを拡大すれば、とても素晴らしいことになるだろう。ドルは他の通貨に対して強すぎるし、インフレは全く起きていない。やるべきときが来た。輸出は大きく伸びるはずだ!」

隠れQE

FRBは2019年秋口より、貿易戦争で悪化した市場の流動性対策として、財務省短期証券(Tビル)の購入というバランスシート拡大策を再開しました。また金利高騰を防ぐ名目で、レポオペという債券を担保に市場に資金を供給する取引も行っています。

金融危機後に実施したQE(量的緩和)は2014年に終了させていますが、2019年の政策は実質的にQEと同様の効果なので隠れQEとも言われています。

このように市中に大量のマネーをじゃぶじゃぶに撒いた結果、行き場を失ったマネーは必然的に株式市場へと向かうことになるのです。

その他

PER(株価収益率)

企業の株価を1株あたりの純利益で割ったPER(株価収益率)という指標があります。PERの高い低いでその株が割高か割安か判断する方法が一般的です。

これは個別株だけでなく、個別株を合計した市場全体に対しても適用できます。例えば、日経平均を構成する225銘柄の株価の合計を、各企業の1株当たりの純利益の合計で割ると日経平均のPERが算出できます。ちなみに2019年は10倍~14倍程度で推移しています。

それでは米国株式のPERについて見てみましょう。株価が急上昇して弾けたITバブル(1999年~2000年)の頃と比較してみます。

米国主要三市場は未だITバブル時の水準を下回っています。特にナスダックのPERはピーク時150倍程度あったので、まだまだバブルとは言えず、成長余地を残していることになります。これはダウやS&P500についても同様です。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

2019年12月現在、ダウが3万ドルを目指す好材料を見てみました。経済を第一に考えるトランプ大統領なら、株価という分かりやすい指標で前人未到の数字を達成したいのかもしれません。

それを後押しするかのように、中央銀行であるFRBは市場に大量のマネーを供給しています。中国を始めとした各国との貿易協議も進展しつつあります。

ただし、中東や北朝鮮を巡る地政学リスク、中国に対する関税、アメリカ大統領選挙などの不確実性は残されたままです。

このまま、順調にダウが3万ドル目指すかはトランプ大統領の手腕にかかっているのかもしれませんね。

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