ダブルインバースは難しい?ダブルインバースの仕組みとは

ダブルインバースといわれるETF・上場投資信託があります。株価が下がれば下がるほど、逆に利益が得られる商品として知られています。

ふつう、株式や投資信託は価格が上昇することで利益を得るものです。しかし何十年も右肩上りで上昇し続けているアメリカ株ならまだしも、ご存知の通り日本株は山あり谷ありなのが実状です。(かの有名なウォーレン・バフェットのバイ&ホールド(株を買って長期で持ったままにするのが一番儲かる)戦略もアメリカだからこそ成功できたという話もあります)

残念ながら価格が下がってしまうことの多い日本株に対して、リスクヘッジの目的で、あるいは下落によって積極的に利益を狙う目的でダブルインバースは人気があります。ほかにも、個別株式の信用(空)売りや日経平均先物の売りなど、下落局面で利益を狙う方法はありますが、いずれも証拠金を入れてレバレッジ(元の価格の数倍で取引を行う)を利かせるため、それだけリスクも高くなります。

その点、証拠金を必要とせず、レバレッジも2倍までのダブルインバースの方がお手軽です。しかし、ダブルインバースは難しいともいわれています。それは、商品性の理解だったり、売買のタイミングの面で難しいのです。

単純に「これから日経平均が下がりそうだから買っておこう」というだけでは必ずしも利益を得ることができず、逆に損失が出てしまうことがあるため、注意が必要です。

それでは、詳しくみていきましょう。

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ダブルインバースのデメリット

あなたは日経平均株価がこの先下がると確信しているとします。

そんなときに効果を発揮するのがダブルインバースのはずです。なんせ日経平均が下がれば下がるほど儲かり、しかもレバレッジが2倍効いているんだから、2倍儲かるはずです。

ですが、事はそう単純ではありません、日経平均が下がれば絶対に儲かると言えないのが、ダブルインバースの難しいところなのです。

どういうことか下の図で説明しましょう。

あなたは月曜日に価格100の日経平均株価が金曜日には価格80となると予想し、ダブルインバースを買いました。そして実際にその通りになったとします。20%の下落ですから、ダブルインバースを買っていれば、40%(20%×2)の利益になるはずです。仮に月曜日のダブルインバースの価格が同じく100だとしたら、金曜日には140になっていないとおかしいはずです。ですが上の図の金曜日のダブルインバースの価格は93です。40%の利益どころか、7%の損失となってしまいました。

なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか。

ダブルインバースの仕組み

ダブルインバースは日経平均やTOPIXなどの指数が下がれば、反対に価格が上昇する商品とされています。これは、インバース(ベア)型と呼ばれるETFや上場投資信託に共通する性質です。運用資産の中に日経平均など指数先物の「売り」が組み込まれることで成立しています。

なかでもダブルインバースは、「ダブル」という呼び名だけあって連動する指数の下落率に対して、2倍の価格上昇が行われます。つまり、日経平均などの指数が10%下がれば、ダブルインバースの価格は20%(10%×2倍)上がるということになります。

ここで注意すべきなのは、ダブルインバースの価格増減率は指数の前日比増減率の2倍という点です。買った日と売った日の価格を比較して、買った日よりも売った日の方が日経平均が10%下がっているからダブルインバースが20%上がるというような単純なものではありません。常に前日比を用いて計算されます。それによって何が起きるのというと、いくらダブルインバースを売るときに日経平均が下がっていたとしても、それまでに日経平均が上がっている日が多くあったりするとダブルインバースの価格はどんどん減価されていくのです。なぜなら、日経平均が10%上がると、今度は逆にダブルインバースは20%下がるという現象が繰り返されるからです。

先ほどの図に戻りましょう。日経平均株価の月曜日から金曜日までの価格変化をみると確かに100⇒80でした。しかしその間に水曜日や木曜日の日経平均株価は前日比増加しています。水曜日の日経平均株価は前日比11%のプラス。そうすると、ダブルインバースの価格は前日比22%のマイナス。木曜日の日経平均株価は前日比20%のプラスダブルインバースの価格はなんと前日比40%のマイナスになってしまいます。こうして減価を繰り返した結果、最終日の金曜日にダブルインバースの価格は上がったとしても、購入価格の100を割れて損失を出してしまったというわけです。

ダブルインバースの買い方

ダブルインバースは、長期投資には向かず、短期投資に適しているとされています。

これは短期投資であれば良いというわけではなく、長期であれば単純に日経平均などの指数が上昇する日数が多くなる確率が高いということです。そうなるとたとえ長期でも毎日のように日経平均が下落するのであれば大丈夫ということになります。強い下落トレンドが続いている、バブル崩壊やリーマンショック、東日本大震災のような暴落のときです。

ただしこれは相場の天井を当てることと同義です。相場の天井、価格の最高潮のときにダブルインバースを仕込めば、その後の急落や暴落で利益を上げることが可能です。しかし相場の天井を当てるのは大変難しく、たいていは踏み上げ(強い上昇に巻き込まれて損切せざるを得なくなる)を食らうリスクが高いです。それでも相場の天井圏内でダブルインバースを仕込むのがもっとも利益になりますので、チャートやオシレーター指標の過熱感などのテクニカル分析で相場の天井圏を探る形になります。

それ以外であれば、やはり短期投資がおすすめです。1週間~1ヶ月単位が妥当です。やはり1ヶ月を超えて持っていると、どんどん減価するリスクが高まってきます。そして、できれば現物株や投資信託の買いポジションの急落に備えるヘッジとしての保有が無難でしょう。

たとえばダブルインバースでもっとも人気の高い野村アセットマネジメントの「NEXT FUNDS日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」では、2014年~2019年までの年間収益率で、年間としてトータルリターンがプラスだったのは2018年のみです。これはアメリカのFRBが利上げを何度も実施し、アメリカ株や日本株が急落した時期でした。それ以外の年はやはり、期待リターンは大きくマイナスです。株は基本的に皆、上がってほしいものだからです。



おわりに

いかがでしたでしょうか。

難しいとされるダブルインバースの仕組みをみてきました。「下がりそうなときはダブルインバース」と安易に考えるのは要注意です。買って放置した結果、実際に日経平均やTOPIXが下がっていたとしても、自分の保有分はかなりの含み損を抱えていたなんていうこともよく起こります。

あくまで短期投資で、ヘッジ目線で捉えておく方が無難です。価格の下落で積極的に利益を狙う場合は、リスクは格段に高くなりますが、日経平均の先物やCFDの売り建てを検討するのも手かもしれません。

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